2022.09.07
数多くのライバーを育てるインフルエンサーマーケティング企業の代表が語る、夢を叶える事業の話【起業家インタビュー】
株式会社ライズアースは2017年11月設立。
インフルエンサーの育成・プロデュースやライブ配信の企画運営と大阪美少女図鑑というメディアを運営して、インフルエンサーマーケティング事業を行なう。飛び抜けたPRスキルで10代のTikTokerやライバーを数々育てている会社である。
今回は株式会社ライズアースの代表取締役社長の北森聖士様にライズアースのインフルエンサー事業の起業当時のお話と今後の展望についてお話を伺った。
起業の経緯から聞かせていただいてもいいですか?
「今の会社を作ったのは二十一歳のときです。もともとは高校三年生の時に、父親が飲食やってる関係もあって、飲食店を友達三人で一店舗やるっていうところからスタートしました。」
高校生からビジネスを!早いですね。大学では何をしていたのですか?
「大学では飛び込み営業(いわゆる訪販と言われるもの)をやったりとか、イベントを運営して月三百人呼んでイベントをしたりしてる中でタレントの卵と呼ばれる人達に出会ったことが今の事業の原石ですね。そういう人たちがどういう問題抱えてるかって言うと、レッスン費とか出張費とか登録費とかが結構お金が掛かるんですね。だけど、例えば何か仕事があっても実は、ほとんど収入がない、そもそも仕事がないみたいなことも多いんです。実は、お金借りてます、みたいな。そういう「実は」が多くてそれをどうにかしたいなって思いまして、そこで、ライブ配信を使ってまずはそのファンをつくってマネタイズして、そのお金でリスクに行くみたいに、ちょっとそのアプローチを変えたらどうだろうかっていうところからライブ配信事務所を始めたっていうのが真面目な経緯です。笑」
その言い方だと、真面目じゃない理由もあるんですか?(笑)
「やっぱり、ノリと勢いってのもありますね(笑)。僕自身、大学三年生で半年ぐらいSHOWROOMを配信していたときがあって、その中で出会った人(今の会社を一緒に作った副社長)がいるんですけど、彼と出会ってちゃんと話すのが今日が初めて、みたいな日に二時間話したら『会社つくりましょうか!』『よしやりますか!』って作ったのが今の会社なので(笑)。」
今、五期目の会社だと思いますが、立ち上げ時期はどんなことがしんどかったですか?
「そうですね、そもそも大学生の時に会社やってたので、相談出来る人がほぼいなかったっていうのもありますし、会社をM&AしてDONUTSグループに入るまでの一年半は結構しんどいことが多かったです。例えば、社内に対して『今、動いてること』をあんまり言えなくて…。それには色々な理由があります。そもそも言ってはいけないこともありますし、言うと安心して業績が下がってしまうから、とかもあって言えないんですよ。でも、メンバーに言えなかったので『めっちゃ勝手に東京行ってる』『何しているか分からない』っていう亀裂があり、当時二十二歳だったので、色々大変でした。特に社員さんや副社長とは亀裂が入ってしまって…。」
大変ですね、それはどうやって立て直せたのですか?
「結局、言えるようになってすっきりしました(笑)。一番最初に創業して10ヶ月目に、ある上場企業さんから買収の提案をいただいて、そこから四ヶ月黙ってたんですけど、そのときに亀裂入ってしまったんですね。結局はお互いに合意に至らずだったんですが、その後で副社長に『実はこういう話動いてました』っていうのを伝えて『そんな話あるんですか』ってなってからはその彼だけには話していました。それで、彼がうまく社内を調整してくれてだんだん良くなりました。」
なるほど、しっかり社長業をやって、それを下ろしてくれる副社長がいてだんだん乗り越えていったんですね。
先ほど、M&Aという話がありましたが、なぜグループにJOINするっていう話になったのか背景が気になるので教えていただいていいですか?
「もともとは関西でライバーを多く抱えている中で、当時大学生三人、四人で会社をやってたので、なかなかライバーさんたちが成長した先の出口がなかったんですね。例えば、ネットメディアなのか、テレビなのか、雑誌なのかっていうところで、そこに対してみんな大学行きつつだったんで、東京に住むってこともできず。だから、東京の会社でかつ、その出口を持っている会社と組むことによって、今いるライバーさんたちも頑張ってるライバーさんたちもより多くの可能性を得られますし、それによってそれを知ったライバーさんたちが集まるっていう向上感を満たすためには出口っていうところが重要で、そこは大企業と提携したほうが絶対いいなっていうのが意思決定の決め手でしたね。」
なるほど。二十三歳でM&Aの経験ってすごいですね。
「本当にご縁ですね(笑)。あとは、2017年〜18年ってまだライバーが今みたいな知名度は無かったんですよ。色々な企業さんが『ライバーを関西で束ねている学生がいる』という噂が回ったり、色々重なって十社ぐらいからお話いただきました。」
裏話的な感じですけどM&Aの話が舞い込んでくるってどんな感じなんですか?
「リアルな話をすると、当時、僕は一期目で売上がそれなりに上がってきているのを知ってた先輩が同じようなことをしたいって話をしにきてくれたんですけど、話してる中で『会社売らないの?』って言われて『え、会社って売れるんですか?どれくらいで売れるんですか?』みたいな話から始まって、会社を売ったらどうなるのかとか、キャピタルゲインも当時22歳だったんでおいしいなと思いましたね(笑)。凄い大きなお金だなあと思いましたし、このままいくと頭打ちが見えるなと思って、やっぱり事業としてもタレントたちにとっても。そこに変革がいるなって思ってたところだったので、M&Aというのはすごくいい話だなって思いました。」
なるほど。会社をやってる先輩からM&Aの話が舞い込んできたりするんですね。
「そうですね。だから本当に色々な知り合いの方に相談しましたし、有り難いことに色々な方を紹介していただきました。『学生でM&Aしようとしている人がいる』って良くも悪くも噂が回って紹介してもらって、色々な上場企業の顧問されている方とか、大学の先輩でM&Aの会社に就職してる方とか、上場企業の社長さんとかいっぱいご相談させてもらって、それで複合的に判断したらグループ入ったほうがいいよねっていうことでした。」
グループにJOINされて今後はどんな展望があるんですか?
「今はTikTokerとして、活躍してくれてるタレントが何人かいて、その人たちがやっぱり自分の夢を叶えるようにしてあげたいですね。本当にトップYouTuberなりたいっていう人もいますし、テレビCM出れるようになりたいっていう人もいますし、時代は変わっていくので、今までテレビ至上主義やったのがWeb至上主義になるんで、そこの夢も変わると思うんですけど、一人ひとりの夢を叶えてあげると、本人たちも会社も潤うっていう本当に夢を支援するっていうことが一番かなと思います。」
夢を叶えることがビジネスになるって素敵ですね!
「とはいえ、お金もすごい大事で、それが無いとタレントとか生きていけないですし、タレントも個人事業主みたいなところがあるので、自分で稼げないと生きていけないし、彼らの生活は僕らのプロデュース、営業に懸かっているんで、夢を追える環境を作り出して夢を追わせるみたいな裏方をする仕事ですね。」
なるほど。企業としての目標はあるんですか?
今だとTikTokerとかライバーとかブームになってますが、また新しいプラットフォームは出てくると思うんですよね。その中で地位を確立していきたいなとは思います。タレントもどんどん年齢は上がっていきますので、何かあったらライズアースに相談すればなんとかなるよね、みたいなポジションになりたいなと思ってます。」
◆起業したい人、ベンチャーに転職したい人にメッセージ
「やりたいことがあればやってみるのは大事だと思っています。今、知識が先行して一歩踏み出さない人ってすごく多いと思います。自分の話をすると資金調達っていう言葉を知らないまま会社を建てました。自己資金でやるしかない!みたいなレベルから会社をM&Aすることにもなっています。つまり、まずやってみないと次には進まないので、何かやりたいことがあればチャレンジしてもらえばいいんじゃないかなと思います!」
編集:株式会社デザイナー 文山