2022.07.14

若手起業家に聞く!コロナ禍での14店舗の飲食店経営の秘訣と社員との関わり方【起業家インタビュー】


株式会社SAYは設立2019年1月。

飲食店の運営、軽貨物運送業、LINE公式アカウントの作成運用、人材紹介など幅広い事業を展開し、今年からはWEB3.0、ネイルサロン事業へと進出する、新進気鋭のベンチャー企業。当社の強みは幅広い業種の全てに対応するWEBマーケティングスキルでわずか3年で年商は3億円を超える。

今回はそんな株式会社SAYの代表取締役社長の松尾明希人(あきと)様にSAYの原点とも言える飲食店事業とコロナ禍での戦略についてお話を伺った。


◆弱冠25歳にして飲食店14店舗を経営する凄腕オーナー

「飲食店経営に興味を持ったのは大学2回生でした。当時、僕が働いていた居酒屋が、週末の1日で50万円を売り上げる居酒屋だったんですよね。レジとか触らせてもらってたので全部わかるんです。それなのに、バイトの時給って900〜1000円くらいじゃないですか?これ自分でやったらどうなるんやろうってのがキッカケですね。初期費用は300万円くらい親戚に頭下げて集めてスタートしました。」

◆1店舗目は大学に近くでオープンした大衆居酒屋

「本当になんでもない大衆居酒屋なんですけど、大学に近くて30席くらいあって、家賃が15万円くらいのお店でした。当時の僕はサークルとか大学生のコミュニティに顔が広かったので『友だち多いキャラ』ではありましたね(笑)なんで、大学生って飲み会とかバンバン行なわれるじゃないですか。そのときに、僕のお店使ってよ、って友だちに声かけてましたね。」

「そこからどんどん広げて、大学4回生の頃には全8店舗まで広がりました。元々は大学は野球の特待生制度で入って、『野球で稼いでいくんだ!』って思ってたんですけど、大学野球って思ったより緩いといいますか、熱量であったりとか若干やさぐれている時期があって、何かやりたい!とくすぶっていた時期とちょうど被ったんですよね。迷子になってた時期に見つけた新しい没頭先って感じでした(笑)」

◆スピード感のある店舗展開のカギは仲間集めの工夫

「もちろん、求人をかけてアルバイトから育成して、能力が高かったら社員として雇用、もしていたんですけど、それだとスピード感が遅いので、どちらかというと、一緒に頑張りたいという友だちに呼びかけて作り上げましたね。それこそ役員に幼馴染が入ったりしています。当時は友だちと仕事するのは上手くいかないよ、って言われてたんですけど(笑)。でも、僕からすると『逆になんで上手くいかないんだろう』って感じでした。どちらか片方が仕事しない、とか意思伝達が出来てないってなったら文句が出ると思うんですよね。ここがちゃんと出来ていれば大丈夫だと思っています。だから意思伝達は出来るだけ敬語でやるように意識してやっています。例えば、年下のスタッフであっても、お願いするときには『これやっといてね』じゃなくて『お願いします』って伝えることとか大事だと思っているんですよね。」

◆コロナ禍の飲食店、売上がゼロの日を経験して

「2020年の2月頃ですよね。コロナが日本に来て、これはちょっとやばい!となったのが。北新地に一ヶ月半だけオープンした幻の店舗があるんですけど、オープン前に広告を出して、グランドオープンと同時に売上が取れる状態にするんですよね。毎月20万〜30万円の広告費を2〜3ヶ月かけるのでリスクではあるんですよね。みんなに当てはまる集客方法ではないとは思います。でも、僕らはそういう方法を取っています。北新地のお店も同じようにして集客してたんですけど、それがちゃんと刺さって予約取れてたんですけど、いざオープンしてみると、全部キャンセルなってしまって。その他にも、京都で”WAGYU”が食べれるチーズのお店をやってこれが結構当たっていたんですけど、インバウンド向けだったので全然お客様が来なくなって。あとは福島でやってたバルもきつかったですね。」

◆コロナ禍の飲食店、どうやって立て直したのか?

「結論からいうと、14店舗あった飲食店を6店舗まで減らしました。これは僕の考え方ですけど、スタッフへの人件費は後回しにしたら再起できないものだと思っています。スタッフへの人件費を優先して、その次に家賃。だから、一日たりとも遅れない。そうするとうちのスタッフ一人も辞めてなくて、逆に他の業界からいい人材が来ましたね。運送業もやっていることは話しましたけど、そこで求人を掛けてて、『飲食店で給料を払ってくれない、だから仕方なく運用業に応募したんです』っていう方とかが来るんです。そういう方が飲食店のほうで働いてくれてたりしています。」

◆店を畳んででも固定費を下げた理由

「給料は雇用調整助成金で賄えるので、いかに固定費の家賃を減らすのか、という判断をしました。飲食店をやっている人には共感してもらえると思いますが、申請して翌月に協力金とか雇用調整助成金が振り込まれていれば全然営業には問題無かったんですけど、遅かったら半年後に振込とかになったりするんですよね。だから、融資を受けてて、この着金が5月15日だったんですけど、これが5月末になっていたらスタッフへの給料の支払いは遅れてましたね。」

◆これからの事業展開

「じゃあ、簡単に事業別に話させてもらうと、飲食店はコロナ禍なので、一流の物件が出ない限り、店舗展開はしません。いい物件が出てきたら攻めよう、と思っています。運用業は右肩上がりなのでそれに乗っかっていって、スケールしていきます。新しくはじめた人材事業ですが、求職者の方のお話を聞いてて僕が思っている人材事業ではなく、やりがいがあるものだなと感じているので一生懸命頑張っていこうと思っています。個人的にはブロックチェーンは本腰入れてやっていこうと思っています。一応今年の冬に本格リリースです。詳細はまだあまり言えませんが、NFTを売買出来るマーケットプレイス、メタバース空間の提供、そのなかでDeFiと呼ばれる金融も取り入れた大きなメタバース(=メガバース)を目指して取り組んでいる状況です。」

◆起業したい人、ベンチャーに転職したい人にメッセージ

「そうですね。僕自身、特別なスキルがあったとか、ライティングが上手いとか、プログラミングが出来たわけじゃない。一生懸命その事業に、一日中向き合った結果だと思っています。すべて熱量、行動力が一番大事だったかなと思います。今から起業を目指されている方には、体験談になっちゃいますけど、やっぱり熱量が大事かなと思っています。ここをいかに継続してやり続けられるかだと思っていますので頑張ってください!」

編集:株式会社デザイナー 文山